"人月の神話"を読んで

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

20年以上前に書かれた本。読むのに苦労した記憶がある(字が小さい、なんだか全体的に分かりづらい)。「人月」はIT業界において、見積りとスケジュールの単位として用いられているのだが、現在も往々にして「人」と「月」は交換可能な単位として見做されている。結論から言うと遅延しているプロジェクトへ人を追加して、遅れを取り戻そうとしたところで、人を追加すれば解決するという考え方は非常に危険であり、実はスケジュールを遅延させる要因になりうるというもの(ブルックスの法則)。また、この前提で組んだスケジュールは大体失敗するので、基本的には、人を追加してリカバリするのではなく(人を追加したところで、多少のオーバーヘッドができることを考慮する)、リスケジュールするか、開発規模を見直すべきであるとも言及していたと思う。センスがいい人はこの辺理解しているものの、プロジェクトオーナーや、システム部門と連携するビジネス部門のユーザーにとっては理解できない(想像できない)世界なので説明を求められた際には、きちんと応えられるようこういった説明を準備すべきなのかなと思う。